川越市|マリー動物病院・手術|埼玉県
外科は、一般的に知られている去勢手術や避妊手術をはじめ、全身麻酔のもとで疾病や外傷を対象に行う治療です。当院では、犬や猫などのペットが手術後も健康時と同じ状態で生活する事を目標にしています。外科手術を選択することで、ペットと飼主様の幸せに繋がれば幸いです。
手術前検査
手術当日に身体検査を必ず行っています。その他に、血液検査、レントゲン検査、エコー検査、尿検査を追加しています。事前に飼主さんに相談して追加検査を決定します。手術前検査は、重大な問題があれば麻酔を回避することや使用する全身麻酔薬を選択したり、術後の合併症を予測して手術を実施できるため重要です。
見方を変えると、高齢動物においても術前前検査で異常がない場合には全身麻酔を実施することがあります。以上の術前検査は、全身麻酔の安全性を保障するものではありませんが、飼主さんが納得した上でペットが手術に望む根拠となります。
疼痛緩和と麻酔薬の選択
マリー動物病院では、手術前から手術後まで痛みを軽減する疼痛緩和を行っています。手術中の痛みを軽減することで全身麻酔濃度を減らし、安定した麻酔状態を維持することができます。当院では、ペットの年齢、基礎疾患の種類、手術内容により麻酔薬を選択し、個々のペットに最適な麻酔を選び手術を行ってます。ただし、残念ながら安全安心な全身麻酔薬はありませんので、どんなペットさんにも「絶対大丈夫です。」とお伝えすることはありませんのでご了承ください。
分類
犬でも猫でも手術する臓器ににより、分類されます。下記に主な手術する部位毎に大まかに記載していますのでご確認ください。
手術分類一覧はこちらから
消化器外科
消化器に分類される外科は一般的に口腔から食道、胃、小腸、大腸、肛門までの臓器が含まれる。各臓器にはぞれぞれ解剖的特徴があり、好発疾患が知られています。ここでは、当院で多く認められる消化器外科についてお話していきます。最も多いのは、異物誤飲による腸閉塞です。異物には、紐、ゴム、スーパーボール、靴下、ガーゼやトウモロコシの芯、栗などが主に挙げられます。同様に胃の出口(幽門部)に閉塞することもあります。
他に、小腸などにできた消化管腫瘍や胃が捻じれてしまう胃捻転なども時折認められます。胃捻転はラブラドール・レトリバーやゴールデン・レトリーバーなどの大型犬で多く認められます。
口腔外科
口腔に関しては、乳歯遺残の抜歯処置が行われるほかに、歯根膿瘍などに行われる抜歯や歯の歯石を除去するスケーリング処置などが一般的に行われています。最近では、口腔内に腫瘍ができることも見受けられるようになりました。口腔にに腫瘍ができると、2次感染や流延増加にる強い口臭により飼主さんは気付きます。腫瘍を切除することで口臭が改善されます。
目と耳の外科
当院では眼球内の手術は行っていませんが、眼の付属器の外科を行っています。具体敵には第三眼瞼突出(チェリーアイ)の手術や眼瞼縫合や眼瞼周囲の腫瘤切除などが、多く認められます。特に眼瞼縫合は、犬同士のケンカなどで起こる眼球亜脱臼、パグ、フレンチブルドックなどの短頭種は解剖上、角膜を傷つけることが多く角膜を保護や角膜再生の向上の目的などの理由で行っています。耳に関しては、耳血腫が代表的です。次回内部の血管が切れて血液を多量に含んでいるため、厚さの薄い耳が膨れた状態になる病気です。耳血腫の手術では耳の中に血が溜まらないように処置します。
泌尿器外科
泌尿器外科において、当院で最も多く行われている手術は尿道結石あるいは膀胱結石の除去手術です。これは、雄でも雌でも尿道に結石が詰まることにより排尿できなくなり、腎不全になるため緊急性の高い状況です。尿道や膀胱を切開して結石を除去します。犬では、尿路系の腫瘍の中では膀胱腫瘍が最も多いことが知られています。
生殖器の外科
代表的には、雄の去勢手術と雌の避妊手術です。去勢手術は両側の精巣を切除する手術で、避妊は両側の卵巣と子宮を切除する手術です。加齢に伴い雄では精巣腫瘍や前立腺肥大などの病気が増加傾向にあり、雌では卵巣と子宮の病気、例えば、子宮に膿が溜まる子宮蓄膿症などの病気が増加する傾向にあります。この場合は、子宮と卵巣を切除手術になります。他に犬では、ごく低い確率で前立腺疾患を認める事 があります。マリー動物病院では、雌の場合に避妊手術の他に子宮蓄膿症、子宮捻転、卵巣腫瘍の生殖器外科手術が行われています。雄のペットの場合には、去勢手術の他に精巣腫瘍、精巣捻転、陰睾の生殖器の手術を行っています。
試験的開腹手術
試験的開腹手術は、肉眼で病変を確認してそのまま手術や組織採材を行うためにおこなっています。時折、犬でも猫でも麻酔をしなければ触れられないペットがいます。この様なペットに何度も鎮静処置をして検査を進めることはできません。その場合、検査が不十分ながら試験開腹手術を実施しなければならない状況となります。しかし、以前と比較して著しく少なくなったと感じます。
病理診断の採材
病理診断とは、鼻でも皮膚でもお腹の中でも病変があった時に、この病変はどの様な細胞が存在していて、病変を形成しているのか?その結果、炎症なのか?腫瘍なのか?あるいは別の診断なのか?を調べるために行います。採材は、針を刺して細胞を採取する時もあれば、特殊な器具で微量の組織を採取する場合、あるいは病変の一部を切除する場合もあります。どの方法で行うにせよ病理診断は細胞より組織のほうがより診断できる確率は高まります。ただし、より大きな組織を採取する場合には鎮静処置や麻酔が必要になることも多く、適切な判断のもと行うことが大切と考えています。
腫瘍外科
ご存知の通り、犬や猫、ウサギなどのペットの寿命も延び人間と同様に高齢化社会になりつつあります。それに伴い腫瘍疾患も増加傾向にあります。腫瘍は様々な組織にできますが、体表にできた腫瘍は発見しやすいので、気付いたら来院して針生検することをお勧めします。針生検は腫瘍の種類により細胞を採取できる場合もできない場合もありますが、外科手術と組み合わせて臨機応変に対処することが大切と考えています。腫瘍が急に大きくなる特徴や複数形成されているなどの特徴を持つ腫瘤の場合にはすぐに切除することもあります。
一般的な皮膚腫瘍切除、大型犬に多い断脚手術やや断指手術、精巣腫瘍や乳腺腫瘍切除術などがマリー動物病院で行われている腫瘍外科です。腫瘤に気付いたら、早めに診察をして手術が必要か否か?を判断することが重要であると思われます。